ゴールドコロイドテストキットとその用途

ゴールドコロイドテストキットとその用途

金コロイド(きんころいど)は、1マイクロメートル以下の金微粒子(ナノ粒子)が、流体中に分散しているコロイド。色は液の状態によっても変わるが、10ナノメートル程度の微粒子の場合は概ね赤であり、粒径が小さくなると薄黄色、大きくなると紫~薄青、100ナノメートルを超えると濁った黄色となる。金コロイドは光学的、電気的に特徴があり、電子顕微鏡、電子工学、ナノテクノロジー、材料科学などに利用されている。

性質
金コロイドの性質は、含まれる金微粒子の大きさや、金微粒子の形などで決まる。

金コロイドが色を呈するのは、表面プラズモン共鳴(局在プラズモン共鳴)によるものである。単分散の(粒径のばらつきが無い)金微粒子は単一波長の吸収を持ち、棒状の微粒子(ナノロッド(英語版))は棒の長さと幅それぞれで特定の波長の光を吸収する。金微粒子の形状は、粒子の会合状態にも影響する。

金微粒子が、液中で凝集せずに安定して分散しているのは、安定剤として加えたクエン酸などが、微粒子表面に強固に吸着して電気二重層(シュテルン層)を作り、イオン反発が起こっているためである。ただしあくまでも静電的に吸着しているだけなので、溶液の状態(例えば濃度)によっては電気二重層が破壊されて金微粒子が凝集沈殿する場合もある。そのため、金微粒子の表面に分子を化学結合させて、安定化を図る場合もある。

歴史
金はステンドグラスを赤く着色する目的で古くから使われてきた[9]。この赤は金微粒子の生成によるものだが、当時はそこまでは分かっておらず、発色原理は1850年代に マイケル・ファラデーが解明するまで全く分かっていなかった。

古代ローマでは金の添加量を変えることにより、ガラスに黄色、赤、藤などの色を付けていた。16世紀になると、錬金術師のパラケルススが、Aurum Potabile(飲用金)と称する薬を作ったと発表している。

17世紀になると、ヨハン・クンケル(英語版)が金コロイドを使った赤の発色方法の改良に成功している。また、同じ17世紀、アンドレア・カシウス(フランス語版)が水酸化スズと金を使って紫を作ることに成功し、「カシウスの紫」と呼ばれた。ただし、当時は、この紫の発色が、金コロイドの発生で起こっていることまでは分からなかった。この後長い間、化学者達は、製法から、「カシウスの紫」が金とスズの化合物だと考えていた。

1842年、イギリスのジョン・ハーシェルは、金コロイドを使ってクリソタイプ(英語版)と呼ばれる感光写真を発明している(ただし直後にタルボットが銀写真を開発したため、高価で性能の劣る金写真はあまり使われなかった)。

マイケル・ファラデーは、パラケルススが発表した「飲用金」を再現しようと試み、1857年になり、塩化金酸を二硫化炭素で還元することで赤い溶液を得ることに成功した。また、「カシウスの紫」の発色が金の微粒子によるものであることを世界で初めて説明した。

1898年、ハンガリーの化学者リヒャルト・ジグモンディは、金の希薄コロイドを作ることに初めて成功した。一方、超遠心分離器を考案したスウェーデンの化学者テオドール・スヴェドベリや、微粒子の散乱を研究して「ミー散乱」としてその名を残したドイツの化学者グスタフ・ミー(英語版)も、金コロイドの研究を行っている。