製品と製造工程の概要を踏まえ、製造工程における化学的危害要因

製品と製造工程の概要を踏まえ、製造工程における化学的危害要因

製品と製造工程の概要を踏まえ、製造工程における化学的危害要因(飲んだ人の健康に悪影響を与える可 能性のあるもの)にどのようなものがあるか、危害要因一覧を見て確認しましょう。また、下にある危害要 因の分析表を見て、製造工程の中のどの工程でどのような危害要因が発生し、どのように管理するのかを 確認しましょう。

危害要因

  • 抗生物質
  • 化学的合成品である抗菌 性物質
  • 動物用医薬品の成分で ある物質
  • 乳牛用飼料に由来する薬 剤、汚染物質
  • 洗浄剤、殺菌剤
  • アレルゲン

主な発生要因

  • 生産段階における治療 目的での動物用医薬品、 抗生物質等の使用により 乳中に残留する可能性が ある。
  • 飼料中の混入、汚染は 飼料の原料、製造段階で 汚染する可能性がある。
  • 生産から製造の各段階 で使用する機器等の洗浄 殺菌に使用する化学薬 剤が製品に混入、残留す る可能性がある。
  • 乳成分がアレルゲンであ り、他食品への混入の可 能性がある。

主な対策例

  • 生産者団体で農 場等における動物 用医薬品の適正 な使用を確認
  • 生産者団体、関 係団体による残留 物質検査の実施、 結果の確認
  • 受入時の必要な 確認、検査の実施
  • 飼料の原料、製 造段階で適正な 取扱い、汚染の防止
  • 各工程、使用す る機器等の適切な 洗浄殺菌を実施し て混入を防止
  • アレルゲンの混 入、汚染が生じな いよう取り扱うこと で防止

化学的危害要因としては、生産段階で飼料に投与したり、家畜に投薬されたりする抗生物質、動物用医薬品の成分などと、搾乳時以降の、集乳、製造等の工程において混入する可能性のある洗浄剤、殺菌剤など、そして、アレルゲンといったものが考えられます。これらの化学物質の管理については次のように行います。生産段階で使われるものについては、まず、農場等において動物用医薬品等が適正に使用されていることが前提として必要となります。その上で、生産者団体において行われている使用薬剤の確認、抗生物質検査の検査結果を確認したり、受入時に検査を行ったりすることによって管理を行います。また、洗浄剤、殺菌剤については、生産、集乳、製造施設の各段階で食品中への混入を防止する管理措置を講じることが必要となります。アレルゲンについては、同じ施設で乳・乳製品を含まない原材料のみを使用した製品を製造する場合は、乳成分が混入しない管理措置を講じることが必要となります。

この他、乳牛用飼料のアフラトキシン汚染に由来する乳中の(カビ毒)アフラトキシンM1含有が考えられますが、現状配合飼料の原料、製造において適切に管理されていることから、国産の乳・乳製品では問題となっていません。